特定の事務所を離れ、パソコンやタブレットを持ち歩き、自由な場所で仕事をするノマドワーカー。
2009年頃から注目されはじめ、ワーカーが増えたのは2012年頃からと言われています。
2020年時点では1000万人を超えるノマドワーカーがいるとされ、これは日本の労働力人口の実に6~7分1となります。2021年現在、ノマドワーカーは自由に働く個人の代名詞として世間に認知されるようになりました。
そして、ここで紹介するのは「ノマドトラベラー」という職種。まだ聞きなれない人もいるかもしれませんが、ノマドワーカーから派生した新たなライフスタイルが、いま注目されています。
ノマドワーカーとの違い。ノマドトラベラーとは

ノマドトラベラーも広義でいえば、ノマドワーカーとなります。そもそもノマドワーカーとは、特定の事務所を持たずにパソコンやタブレットを持って、どこでも仕事をする人たちのことを指します。
近年は新型コロナの影響もあり、日本を含む世界で急速にテレワーク化が進んでいて、ツイッター社は「テレワーク化が成功したので、今後も社員が希望すれば永久的にテレワークをする」と公表したほど。
いままでは多かれ少なかれ奇異の目で見られることもあったノマドワーカーですが、今後はノマドのワークスタイルが広く認められてくることは間違いありません。
どこでも仕事ができるのがノマドワーカー。その発想からノマドトラベラーが誕生
遊牧民という意味を持つノマドですが、ノマドワーカーの多くはカフェや漫画喫茶、自宅で日々仕事をしているようです。
しかし、せっかくノマドになったのだから、日本にいる必要もないとは思いませんか。日本のカフェで仕事するのも、とあるアジアのビーチリゾートの砂浜でさざ波をBGMに仕事をするのも同じことです。
それならば、世界を自由に旅して、自分の知らない文化・習慣・言語・環境に触れ、見分を広める方が有意義な人生をおくれるのではないでしょうか。
そうして生まれたのが「ノマドトラベラー」という新しいワーク&ライフスタイルです。
世界を旅するノマドトラベラー。条件や資格は?

夕日が辺りを橙に染める中、アジアのビーチでパソコンを広げ、ココナッツを飲みながら潮風に吹かれ、一人仕事をする。そんな情景に憧れている人も多いのではないでしょうか。
ノマドトラベラーになると、こんな現実が実際に待っています。
そして、ノマドトラベラーになるための条件や資格というのは一切ありません。
特に日本国籍のパスポートを持つ日本人であれば、世界のほとんどの国がビザ無しで入国することができます。
現地で何週間か滞在したあと、もしさらに滞在を希望するならば、領事館や大使館でビザを取得するといいでしょう。
実際観光ビザを何度も更新を続けて、年単位で現地に滞在している日本人も少なくありません。
ノマドトラベラーはフリーランスとなる覚悟が必要

本来ノマドワーカーとは一種のワークスタイルとなります。広義で言えば、会社の従業員であるサラリーマンであっても、直行直帰の人やテレワークの人も広義でノマドワーカーに含まれます。
しかし、ノマドトラベラーは日本の事務所に行くことはできませんので、そのほとんどがフリーランスとなります。つまり、正社員を捨てて、自分で雇用主(クライアント)を探し、契約を交わし仕事と収入を得ることになります。
収入が一定以上あれば、自分で確定申告をしなければなりませんし、健康保険や年金も自分で手続き・支払う必要があります。
ノマドトラベラーになるためには条件や資格は必要としませんが、強いて言うならば、フリーランスになる『覚悟』が求められると言えるでしょう。
自分で収入源とリスクヘッジを考える

先にご説明したように、ノマドトラベラーはフリーランスとなるため、本業と副業の概念がなくなります。言い換えると、すべての仕事が本業とみなされます。
またノマドトラベラーは正規雇用にはなり得ない点も注意が必要です。クライアントから支払われるのは給料ではなく報酬となります。有給はもちろんありませんので、基本的に稼働日と収入が比例します。
異国の地では、日本人はちょっとしたことで体調を崩しやすく、仮に一週間病床に伏していただけで、収入は4分1減少することになります。
身体は資本といいますが、まさにその通りであることを肝に銘じておきましょう。
最低5社。理想は10社程度から常に引き合いがくるように
フリーランスになったからには、自分で収入や取引先の調整もしなければなりません。
アジア圏では生活費が安いので、それほど収入を上げる必要なく生活できますが、欧米特に英国とユーロ圏は物価が高いので、今まで以上に取引先を増やしていかなければなりません。
ノマドトラベラーの職種によっても状況は異なりますが、毎月5社程度のクライアントから何かしらの依頼がくるような土台を作るといいでしょう。
ただし、これは最低です。実際は10社程度と常に付き合いがあるのが理想と言えます。
仮に5社と契約していると、2社ないし3社が突然依頼をキャンセルし、契約を解除した場合、多くのノマドトラベラーは生活が傾いてしまいます。
それを避けるために、何社と毎月取引すべきなのかを考えるのが重要です。
まずは期間限定でノマドトラベラーを体験してみては

ノマドトラベラーの中には、1年かけて世界一周する旅人や、1か国に数年滞在する在住者がいますが、いずれも海外の生活の仕方やトラブルが起きた場合に自身で解決できる道を知らなければ困難です。
これからノマドトラベラーになりたいという方は、まずは数か月から半年程度、期間限定でノマドトラベラーの生活を試してみてはいかがでしょうか。
ノマドトラベラーの生活が自分に合っているかも確かめることができるでしょう。
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