ノマドトラベラーになることはそれほど難しくありません。
会社に辞表を提出し、最初の行き先を決めて、荷物をまとめ空の片道切符を購入するだけです。
もしノマドトラベラーとしての困難が待ち受けているとしたら、それはどういったものが考えられるのでしょうか。
今回はノマドトラベラーとして必要なスキルを、仕事と生活に分けてご紹介します。
ノマドトラベラーに特別なスキルは必要?

ノマドトラベラーとして新たな人生を踏み出す人にとって、一抹の不安を覚えるのが「自分はノマドトラベラーとしてふさわしいのだろうか」というもの。
旅をしながら仕事を続け、収入を得ることに漠然とした不安や懐疑の念があるようです。
ノマドトラベラーは名刺を作り、好きな肩書を入れるだけでノマドトラベラーとして立派に活動することができます。それに当たり、特別な資格や条件は必要としません。
しかし、特別なスキルは必要としなくとも、ノマドトラベラーに向いている人とそうでない人は確実にいますし、向いている人のスキルを言語化することも容易にできます。
仕事のスキル 自己PR能力に長けている

ノマドトラベラーが求人に応募する際、まず一次面接に職務経歴書による書類審査があり、通過すると1回、多くて2回程度の面接があります。
面接は主にスカイプやズームを使ったビデオ通話で行われます。つまり、自分をアピールする機会は2回程度となります。
職務経歴書は簡単な略歴と実績を記載した端的なものを普通は提出することになるので、ページの最初か最後に応募先への自己PRや志望動機を記述するのもいいでしょう。
また、ビデオ通話による面接は15分から20分程度が想定されますが、それほど込み入った会話にはなりません。前職と現職の確認や自分の得意分野や実績などの説明程度。
正規雇用ではないからかもしれませんが、志望動機を聞かれることはほとんどありませんし、特別自分をPRできるような質問もありません。
そのため、得意分野(持っているスキル)と実績を説明する場面で、いかに自分は有能であり、御社に利益をもたらすかの説明に全力を注ぐことになります。
実績は動かすことはできませんので、とりわけ得意分野を説明する際に、自己PRのスクリプトを作り練習しておくといいでしょう。
日本人は自己PRが下手?
日本人の中には自己PRが苦手という人が多くいるようです。
これは日本人が古くから謙虚な姿勢が良しとされ、自分自身で自己評価を高めて他者にアピールすることを良しとされない習慣があるからです。
「評価は他者が下すものであり、自画自賛はするべきでない」という風潮が日本には根強くあるとは思いませんか。
しかし、面接ではそれは忘れてください。
ノマドワーカーに求められるのは、純粋に会社が欲しているスキルを埋めてくれる人材です。
大いに自画自賛してきちんと自己PRができる人が、往々にして面接で採用されます。
生活のスキル 外国の習慣を受け入れることができる

異国の文化や習慣を受け入れることは、実は想像以上に難しいです。
旅行と住むのとでは自分を取り巻く環境が大きく異なります。
ゲストハウスに滞在すれば停電や水漏れ、ネズミなどに悩まされるでしょうし、毎日現地人が足繫く通う大衆食堂で、現地人と同じような食事をしていたら、一週間で悲鳴をあげるかもしれません。
特にアジア圏はどこの国へ行っても生活水準は日本よりも間違いなく下がります。
そのため、外国の習慣や文化に馴染めずにいると、早い段階で今の生活に嫌気がさして日本に帰国したい願望にかられます。
出鼻をくじかれないためにも、最初に住む国と都市選びは慎重に慎重を重ねて吟味してください。
共通のスキル 一人の生活に慣れる

「ノマドトラベラーになったら、現地の友達をたくさん作って異文化交流を楽しみたい!」そう考えている人もいるでしょう。
もちろんそういった憧れも比較的簡単に実現することができます。
しかし、実際ノマドトラベラーになってみると、思いのほか仕事が忙しく、毎日カフェや自室にこもってパソコンで作業をしなければならなかったり、なかなか気の合う友人ができずに、毎日独りで狭い範囲内を散歩している……、そんな状況に陥ることも珍しくありません。
いずれも気の持ちようでどうとなる問題かもしれませんが、実は孤独のノマドトラベラーというのは多くいます。
そのため、ノマドトラベラーには孤独の時間を苦にしない、あるいは一人の時間を楽しむことができるスキルが必要です。
ノマドトラベラー含む海外在住の日本人の中には、ずっと一人でいると何をすればいいのか分からなくなり、次第に引きこもりがちとなり、最後は鬱になって帰国する人も少なくありません。
孤独に対応できるというのは、ノマドトラベラーとして年単位で活動するに当たり、とても重要なスキルと言えます。
自分にはスキルがないと思いこまないように

「自分は社交的で孤独には耐えられないかも」、「私は自己PRが苦手」という人も、ノマドトラベラーになることを諦める必要は決してありません。
内向的な性格と自認していたにもかかわらず、実際海外生活を長く続けていると、徐々に外向的な自分がいることに気づくパターンはよくあります。
海外生活を通して自分が変化したのか、それとも潜在的な性格・スキルが身を潜めていたのかは定かではありませんが、自分が現地に適応した、と実感する瞬間はふとやってくるものです。
コメント